鉄道趣味オタク 妄想派

鉄道の話

 かつては根暗のオタク趣味として、あまり人前では明かされなかった趣味に鉄道模型と無線通信がある。一昔前までは「隠れ鉄ちゃん」と言う言葉まであって、「趣味は鉄道模型です」などとは決して人前では言わず隠していたものだった。が、最近では少し風向きが変わってきて、鉄道ファンというのが脚光を浴びるようになってきたらしい。

 鉄道マニアの中には、いろいろな種類があるが、先ずは「乗り鉄」JR,私鉄を問わずひたすら列車や電車、気動車などに乗車することを好む人達だ。「何にも用事はないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」と借金まみれなのに優等列車に乗って紀行文「阿房列車」を書いた作家の内田百閒氏などは元祖乗り鉄と言えるだろう。                               次に「撮り鉄」と呼ばれる人種が存在する。この「撮り鉄」族の一部が最近非常に問題になっている。人の田んぼや畑に無断で立入り三脚を立てる,邪魔だからと木を切ってしまう、踏切の支柱によじ上り電車を止めてしまう、良い写真を撮るためなら死んでも良いとばかりに列車に近づき過ぎて職員と トラブルになるなど、目に余るが輩が続出している。そんな事をして撮った写真、良い作品などあろうはずが無いと思う。プロの写真家の中井精也氏の作品などは、車両と風景と時間を選んだ鉄道愛にあふれた素晴らしいものがある。少しは見習って欲しいものだ。

 

 その他に鉄道模型が大好きな「模型鉄」私の古くからの友人M君は筋金入りの「模型鉄」でこの鉄道模型に一財産つぎ込んでいる。特にHOゲージの金属モデルは高価で、奥さんには値段をごまかしているものも多々あるのでは、また「葬式鉄」と呼ばれる一群がいて、普段はろくに乗りもしないのに、列車や路線が廃止になると出かけて行って「ありがとー、○○線」と涙目になって大声で叫ぶ。              最近では六角精児氏がテレビで放映している「飲み鉄」なんてのも出てきた。最早、何でもありのようだ。

こんな列車に乗ってもう一度、旅がしたい

 昨夜は夜中に目が覚めて、寝付けないのでベッドで愛蔵のCD「夜汽車」を聞いていた。蒸気機関車(SLという言葉は好まないので)のドラフトと、旧型客車がレールを刻むサウンドそして時折聞こえる汽笛と踏切の通過音のCDだが、白熱灯が点る暖かな夜行列車に乗っているような感覚にさせてくれる。私は「鉄オタ」妄想派である。

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