秋晴れの一日、久しぶりに京都の愛宕山に登ってきた。愛宕山は標高924mと比叡山(848m)よりも高く市内から見える山の中では最も高い山である。登山コースはメインルートの清滝の他、嵯峨水尾,保津狭の落合からといくつかあるようだが、どのコースをとってもきついので有名だ。なぜ年を取ってからこんなにきつい山に登ったかと言うと、妄想鉄の私の妄想が膨らんで愛宕山ケーブル線の山頂駅とホテルとスキー場跡がどうしても見たくなったからだ。
愛宕山鉄道は、京福電鉄の嵐山駅から清滝トンネルを出たところにある清滝駅までの平坦線と、清滝川駅から愛宕駅までのケーブルカー路線とからなっていて昭和4年に開業した。このケーブルカーは高低差638m、距離2.13Kmを11分で登ったそうである。山頂駅から愛宕神社まではさらに急坂が続いておりロープウエーが計画されていたが実現することはなかった。
ケーブル山頂駅あとだが、いまだに原型を留めていて適度な朽ち果て感がなかなか素敵だった。 さてこの山頂駅のすぐそばにはホテルと飛行塔のある遊園地、テント村、スキー場などが設置され大変賑わっていたそうである。ホテル跡には基礎がしっかりと残っていた。ホテルから少し登ったところがスキー場だ。過去の写真を見ると沢山のスキーヤーで大賑わいだった。
今は訪れる人もいなくなったスキー場跡は雑木が生い茂っているが、地形だけは変わっていない。 ケーブルカーもホテルもスキー場も戦況の悪化とともに昭和19年にすべて閉鎖されてしまった。
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