早く乗っておかないと 木次線の旅

鉄道の話

こんな所を走っているんだ、オロチループの橋より撮影  週刊新潮から

 鉄道に興味のない人にはほとんど知られていない木次線(きすきせん)に行ってきた。         こんな所を走っているんだ。山陰線の「宍道駅」から、JR西日本の収益率の悪さNo1の芸備線「備後落合」を結ぶ超ローカル線で、この木次線は収益率の悪さNo2だそうだ。    さて私は出雲三成駅7:25発の1441Dに乗車、出雲横田には高校があって結構な数の高校生が乗っていた。隣の駅は松本清張の小説「砂の器」で有名になった亀嵩(かめだけ)である。出雲横田で高校生たちが下車すると車内は、私たち夫婦と小学生を連れた男性の4名のみとなった。

ローカル線専用のキハ120

出雲横田を出発するとキハ120は,30パーセントの勾配を生い茂る木々の枝を搔き分け掻き分け登っていく。斐伊川の清流沿いに線路は何度も川を渡り、短いトンネルを超えて出雲坂根に到着する。この駅は標高564m、次の三井野原は西日本では最も高い726mだ。短い距離で152mの高度を登るために、スイッチバックと急勾配が待ち受けている。

                      まるでインディージョーンズの世界

 出雲坂根を出発して、しばらく走ると進行方向右手に素晴らしい景観が広がる。最初の写真に写っているキハ120の位置からオロチループの橋がきれいに見下ろせる所で、運転士がサービスのため徐行してくれる。まさに木次線の絶景ポイントだ。奥出雲の山奥にこのような立派なループ橋を作った事も凄い事だが、昭和10年頃にこんな地形の厳しい所に鉄道を引いたことに感銘を受けた。そして三井野原に到着だ。駅のすぐ横にリフトのある緩やかなゲレンデが広がっている。民宿や貸しスキーの看板があるがJRでスキーにやって来る人はいないだろう。2021年からはリフトの運航も無くなったようで、スキー場も営業を取りやめたと聞いた。

    オロチループの一番高い所にある橋

 三井野原を出たキハ120は鬱蒼と樹木の生い茂る線路を下りながら、途中に油木を経由して終点備後落合へと向かう。

 このように素晴らしい景観を持つ木次線だが、厳しい地形(まるでインディージョーンズの冒険のよう)と天候によって、激しい雨が降れば運休,また冬の間は積雪による運休が頻繁に発生している。 そして二度と乗れなくなるその日が来るかも知れない。

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