孀婦岩(そうふがん)に登った男達(2)

本の話

 1972年7月21日に、早稲田大学の岳友会に所属する若い二人のパーティが(記録に残る限り)初登頂に成功してからは長い間、孀婦岩の登頂記録は残されていない。                 次に登頂に挑戦した記録が残るのは2003年のことになる。「山と渓谷」の2003年8月号に「孀婦岩洋上登山隊」と言う記事に登頂記録が出ていた。洋上登山隊の3名は、準備を重ね大きなヨットに乗り込んで、その年の4月28日、接岸に苦労しながら孀婦岩の登頂に成功した。自分達が初登頂だと喜んで頂点に到達した彼らが見たものは、錆びたハーケンと旗を立てるのに使ったとみられる短いパイプだった。

 伊豆諸島最南端の島、孀婦岩は、東京から南650kmの絶海に屹立する岩山である。團 伊玖磨氏の「九つの空」では標高106mと記されているが、現在では99mとなっている。2018年に放送されたNHKスペシャル秘島探検「東京ロストワールド」ではこれらの島々が美しい映像で紹介されていた。 その中に孀婦岩にアタックする映像があり現在でもNHKアーカイブスで見ることが出来るそうだ。

 孀婦岩の周辺は2500mの深い海である。どのようにして、この尖がった岩山が出来たのであろうか?

 

 別のテレビ番組で、孀婦岩の成立過程が次の様に説明されていた。

 その昔、この海域で海底火山が爆発し大きな火山島ができた。海面上に突き出た火山部分は、長い間、激しい潮流や風雨によって浸食されて、溶岩の部分だけが残り現在のかたちになったそうだ。硬い溶岩で出来た孀婦岩も、数千年の内には波の浸食によって無くなってしまうとのことである。

 生きているうちに、一度見たいと思っているのだが、ツアーがいつ実施されるかは未定だ。

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