街の遊撃手 ISUZU FFジェミニ

自動車の話

 現在ではバスやトラックなどの商用車を製造しているISUZUだが、かつてはお洒落で個性的な乗用車を製造していた。私はこれまでに5台のISUZUの車に乗ってきたが最初の車は1985年に発売されたFFジェミニの1500ディーゼルターボであった。

FFジェミニのカタログ写真

 街の遊撃手のキャッチコピーで、パリの街中をアクロバティックに華麗に走り回っていた映像をテレビで見た方も多いのではないかと思う。小さな4ドアセダンで経済的なディーゼル車をさがしていたところだったので、1985年の11月にディーゼルターボを搭載したC/Cが発売されたのと同時に購入した。 FFジェミニは、色もこのシャンパンゴールドを始め、ピンクやブルーなど当時としては画期的なカラーを選ぶことができた。私も散々迷った末に、セイシェル・ブルーに決めた。

 このFFジェミニは全長4070㎜幅は1615㎜と、今の車と比べるとかなり小さいのだが大人4人がゆっくりと座れ、トランクも家族で小旅行するには十分な広さがあった。納車された時に、中古車センターをやっている友人のO君を乗せた時に「これホンマにディーゼルか?」と驚いていたのを覚えている。トルクフルなエンジンは,アイドリング時にはディーゼルと認識できるが、一旦走り出すと街中から高速道路までガソリン車を凌ぐパワーを感じられた。また、燃料がガソリンより安い軽油で燃費が非常に良く、普通に走っていれば1Lで20kmは走った。一度満タンにすれば500Kmは走ることができ、給油するたびにジェミニにして良かったと思ったものである。

元気なころの我が家のFFジェミニ

 このセイシェルブルーのジェミニの良いところは、同じ色の車に出会うことがほとんど無くどんなに広い駐車場に止めていてもすぐに見つけることが出来たところだった。このジェミニに15年で15万㎞ほど乗ったが、大きなトラブルもなく愛着に応えてくれた。

 しかし15年と言う長い期間に、少しづつくたびれてきた。ボディや足回り全体が緩くなり、ライト類も何となく暗くなって、残念だがリタイアすることになった。

 ISUZUというメーカーは、素敵でお洒落な車を作って来たがモデルチェンジが本当に下手だと思っている。ベレットも117クーペもそしてこのFFジェミニもモデルチェンジする度に、本来の美しさを失っていった。

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