災害時の救援用バイク スズキDF125E

オートバイの話

 スズキDF125Eと言う1997年製のバイクが仲間入りした。もともとあまり売れなかったバイクであり、今では殆ど見る事は無くなったが、熱心なファンがいて大事に乗られている個体もあるようだ。殻は大きいのだが排気量は125ccの原付2種である、グリーンの迷彩色のモデルはまるで自衛隊仕様のバイクに見える。200㏄のエンジンを積んだDF200Eの宣伝コピーには「レスキューという仕事のために生まれました」と書かれていた。「俺はチャラチャラした奴とは違って、災害の時に役立つ仕事がしたいんだ」と言う心意気が、男前でなかなかよい。それでは、実際にどのようなバイクなのか見ていきたいと思う。

                       頑丈な前後キャリアを備えた大柄な車体
               真夏のヘビーデューティーにも耐えるガードされたオイルクーラー

     DF125Eはジェベル125のヘッドライト回りとリアに頑丈なキャリアを取り付け大きく重い荷物を運べるようしている。前後の車輪に大きくしっかりしたフェンダーを取り付け荷物や乗員を汚れから防いでいる。ホイールは前21インチ後ろ18インチとオフロードバイクの標準サイズを採用している。エンジンの始動にキックペダル追加、さらに気温が高く過酷な運転状況の時にエンジンを保護するためにオイルクーラーが取り付けられ、よりヘビーデュティさを増している。インプレッション記事では、パワーがなくて坂道を登らない、ブレーキが効かなくて危ない、ギアのニュートラルが入りにくいと云ったところがよく指摘されている。こう云ったところを踏まえて私なりのインプレッション記事を上げたいと思いう。

頑丈なキャリア

 DF125Eは、大柄な車体だが乾燥重量は114KgとホンダのハンターカブCT125よりも軽い。燃料13Lオイル1L搭載しても130kg弱とホンダのPCX125よりも軽量で取り回しは楽だ。シート高は790mmで先端が細く絞られておりショックも柔らかいので身長172cmの私でも、両足の踵がつく。ただ乗り込むときに右足がリアのキャリアに引っ掛かる。リアにボックスをつけると乗り込むのがキツくなるが、サイドスタンドを使用して乗り込む分には問題は無い。

 シートに座って、手を降ろしたところにハンドルがあり直立した乗車姿勢になる。個人的にはもう少し低く、前にあっても良いかなと云ったところだ。ギアは6速でパワーはそれほど無いので1速からのスタートになる。平坦地でギアを繋ぎながら6速に入れると60kmから70kmで普通に走り平坦地であれば、そのまま加速しメーター読みで100km近くまではでる。ややきつい坂道に差し掛かるとスピードは少しずつ落ち始め5速4速3速と落とさなければならない。滋賀県と福井県の国道8号線や161号線そして365号線の栃木峠越えはやや厳しい。

 時々広域林道や峠を走りたくなって、遠敷峠(おにゅうとうげ 京都と福井県の小浜を結ぶ鯖街道の峠)や鳥越峠(滋賀県と岐阜県を結ぶ広域基幹林道)等に行くが正直パワー不足を感じる。但しこんなものだと割り切ってしまえば安全な速度でゆっくりと峠を越えることは出来る。峠越えのような走りでも燃費は30km/lを切ることはない。燃料タンクは13L入るので一度満タンにしておけば300kmは走れるのでガス欠を心配ことない。

  普通に効くブレーキ 何故かハゲるリムの塗装

 よく効かないと言われているブレーキだが私的には問題はないと思う。私はあまり飛ばす方では無いので、インプレで言われているような危険なほど効かないという経験はない。また未舗装路では効き過ぎるブレーキはかえって危ないと言われている。スズキの技術者がDF125の性格にあわせてブレーキの効きを調整しているのではないだろうか。オイルに気を配っていればギアチェンジに特に問題は無い。シートの幅が狭いので100km近く乗ると尻が痛くなる。

このバイクDF125Eは車検が無く燃費もほどほどで道を選ばない。高速道路は走れないが、キャンプ道具や荷物をいっぱい積んで日本の四季を楽しみながら、ゆっくりと旅をするのには最適なバイクの一台ではないかと思う。

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