飛行機の操縦

飛行機のはなし

 操縦室に入りシートに着くと、目の前には操縦桿、足元にはラダーペダルがある。すべての装置がスムースにできるようにシートの位置と高さを調節して自分の体に合わせ、リクライニングとひじ掛けも合わせる。昔はシートに座った所を見ただけで腕前が判ると言われたものだ。

 操縦桿を引くと昇降舵が上がり、水平尾翼に下向きの揚力が働いて機首が上がり、操縦桿を押すと反対に機首は下がる。操縦桿を左に傾けると、左側の補助翼(エルロン)が上がり、左の主翼に下向きの揚力が発生して左に傾き、機体は旋回を始めます。ラダーペダルを踏むと垂直尾翼にある方向舵に作用して、踏み込んだ方に機首を振る。

 飛行機の操縦で一番難しいのは、高度を狂わさずにまっすぐに飛ぶことだ。昔、オートパイロットのない一部のYS11に乗務していた頃は、水平飛行になると副操縦士(私です)が降下開始の地点まで操縦して、降下開始から着陸までの難しくて面白い所は機長が操縦していたものだ。

 エルロンリバーサルと言う言葉を訓練生の時に教えられる。操縦桿を左に操作しても機体は左に傾かず、反対の右に傾くことがある。ジェット機などが高速で飛行中にエルロンを作動させても、翼端の強度が不足して捻じれを起こし、反対の動きになる事を言う。現在の飛行機では、これを防ぐために高速飛行中は、外側補助翼は動かず、内側の補助翼やスポイラーが作動してリバーサルの発生を防いでいる。

 ずっと前に白黒の航空映画で、テスト飛行中のジェット戦闘機が急降下中に機首を上げようと操縦桿を引くが機首が上がらずますます地面に突っ込んでいくというシーンがあった。これはオーバースピードによる昇降舵(エレベーター)のリバーサル。

英国空軍のグロスター・ミーティアジェット戦闘機

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