飛行機に乗っていたのを知っている人から尋ねられることがある。UFOを見たことがありますか?UFO(Unidentified Flying Object)未確認飛行物体のことだが、尋ねる人は多分アダムスキー型あるいは葉巻型の円盤を想像しているのだと思う。UFOの目撃談はたくさんあるのだが、その中から一つ紹介しよう。
1986年11月17日、パリ発アンカレッジ経由成田行きの日本航空1628便、ボーイング747型貨物機がアラスカ州のフェアバンクス上空でUFOに遭遇したと報告した。機長の報告によると、高度約10000メートルを飛行中に、両端にライトを点灯させた巨大な母船型UFOが一時間弱、同機と併走するように移動し、機内のレーダーにも写っていた。その後、JAL1628便がアラスカ行きのユナイテッド航空69便と行き違った所、UFOは反転してユナイテッド航空69便を追尾したと言うことだった。ユナイテッド航空の乗員はUFOらしきものは見ていない。またこの騒ぎを聞きつけた米空軍のC-130輸送機が現場に接近し、日航機は確認したがUFOらしきものは確認できなかったと報告している。
その後この事件が公になった時点で行われた聞き取り調査で、当該便の副操縦士は「光は見たが飛行物体の形は確認できなかった」と証言し、航空機関士は「何か光を見た」と証言している。当該便の機長はこの事件の約5年前に、台北上空を飛行中にUFOの「母船」を目撃していた。アラスカ上空での件を会社に報告した機長は、三か月ほど乗務停止となった後、地上勤務になったそうである。この一件以来、UFOらしきものを見た場合、管制機関に問い合わせることはあっても「会社や国土交通省には報告しない」というのが、航空会社を問わずパイロットの不文律になっているようだ。
「それではあなたはUFOを見たことがないのか?」と聞かれると、19000時間ほど飛行機に乗っていたが残念ながらUFOやそれらしい物を見たことは一度もない。
「それじゃ、UFOの存在を信じないのか?」と問われると、ほぼ100%存在しているだろうと思っているが、ただ現在の地球上では遭遇することは無いだろうと考えている。宇宙は137億年前のビッグバンに始まり、地球は46億年前に誕生したと言うのが現在のところ定説になってる。人類の祖先が400万年前に誕生し、人類が文明を持つようになったのは、地球誕生から現在までを一年のカレンダーにすると12月31日の23時58分34秒になるそうで、人類が知性を持ったのは、ほんの2分足らずのわずかな時間だそうだ。
また宇宙にはどれほどの数の星があるのだろうか、ちょっと数え切れない。まさに、星の数ほどある。その中にはとてつもなく進んだ知性を持つ生命体が住む星が数多く存在すると思っている。それらの星は光の速度で移動しても、何年も何百年も何千年も、そして何億年もの遥か彼方に在るのだろう。
亡くなったイギリスの物理学者ホーキング博士の著書には、この宇宙的な時間と距離を考えると、UFOに乗った宇宙人と人類が現在の地球上で遭遇する確率は、限りなく”0″に近いと書かれている。
それでも澄んだ夜空を見上げていると、どこからともなくUFOが飛んでくるような気がしてくる。
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