BOEING747 フライトインプレッション2

飛行機のはなし

上の画像は-400の操縦室と計器パネルです。。機長と副操縦士の2名で運航することになったので、すっかり変わってしまった。それでは離陸からのインプレッションを続けよう。

●地上走行中に注意するのは、タクシースピードとステアリング操作(車のハンドル)だ。国際線の様に機体が重い場合、決められた速度を超えてタクシーを続けるとタイヤがたわんで過熱することがある。もし離陸を中止する事があればタイヤやブレーキがオーバーヒートして所望の性能を発揮できなくなるのだ。またB747の前輪には、全重量の5%程度しか荷重が掛かっていない。荒い操作をすると前輪が滑ってしまうため、ゆっくりと丁寧な操作が求められている。

 離陸の準備が整うと、管制塔から離陸の許可を得て滑走路に入り、センターラインにアライン(前輪でセンターラインを挟み、滑走路の方位と機の方位を一致)させる。                ん?滑走路が短い!長さ3360m羽田のRWY34Rが短く見える。A320では、見えなかったRWYの端が 10mの高さからだとすぐ近くに見えるのだ。これは慣れるしかない。                                   いよいよ離陸だ。ブレーキを緩めて、スラストレバーをN1(ファンの回転速度)70%まで上げる。エンジンが安定するのを確認してスラストレバーに付いているTO/GAスイッチ(離陸と着陸復行する時に使用)を押すと、スラストレバーはあらかじめコンピューターに入力しておいた離陸推力になるように自動で前に進む。 B747-400のエンジン ゼネラル・エレクトリック社製 CF6は離陸推力57,900ポンド(簡便法として2.5で割ると馬力に換算できるので、約23.000馬力×4で92.000馬力)国際線のヘビーウエイトで安全に離陸できるように設定されている。国内線や、フェリーフライトでは軽いのでそれほどのパワーは必要ないので、エンジンを保護するためにそれぞれの出力を通常25%カットしている。25%×4=100%つまりエンジンを一つ止めているのと同じだが、これでも十分パワフルだ。

 離陸推力にセットすると機体はゆっくりと加速を始める。                   が?何か加速が悪い。今まで乗ってきた機体に比べ加速の体感が違うのだ。しかし速度計は順調に加速している。やはり10mの高さが、感覚を鈍らせているのだ。これも慣れるしかない。右席の「80ノット」のコールに「チェック」と答え離陸推力が安定し,その他のシステムに異常の無いことを確認する。機速が増すにつれて揚力が発生するのが操縦桿やラダーペダルを通して伝わってくる。「V1]の コールで右手をスラストレバーから操縦桿へ手を、続く「Vr」のコールでゆっくりと操縦桿を引くと、車輪が地上を離れるとタイヤの振動が無くなり急に静かになる。ランディングギア(脚)を上げる。1500フィートで上昇推力にセット,3000フィートからフラップを上げていく。身軽になったB747-400は軽快に上昇を続ける。●

 

巡航から、降下着陸については、フライト・インプレッションNo3に続く。

コメント

タイトルとURLをコピーしました