エアバスA320の真実(PART1)

飛行機のはなし

 現在、世界中の航空会社で好調な販売実績を示しているエアバスA320だが、本当にどのような飛行機なのか詳し理解している人は少ないのではないかと思う。パイロット仲間でも、A320に乗ったことのない人が、移動の時など、ジャンプシート(操縦室にある予備のシート)に乗ってくると何をしているのか、解らないという声をよく聞く。そこでA320,321に15年間乗務し、その後5年間シミュレーターやグランドスクールの教官として勤務した経験をもとに、エアバスA320の特徴と、他の航空機(特にボーイング)との違いを解説したいと思う。

A320は1987年に初飛行した、全長37.6m全幅34.1m全高11.8m座席数166席の単通路、外観は極く普通の双発ジェット旅客機である。

最大速度は、高度24,600フィート(約7300m)以下では350ノット、それ以上の高度では、音速の82%に制限されている。

また、高度に関しては39,000フィート(11,700m)が上昇限度となる。

主に国内線や近距離の国際線での使用がメインであることから、特別な高性能は求めず、控えめな数値となっている。

ほぼ同じサイズのボーイング737が直接のライバルであり、後発の強みからB737のウイークポイントであった、貨物用のコンテナを搭載することができ、燃費性能の良い高バイパス比の直径の大きなエンジンを無理なく採用できるように、長い主脚を持っている。

 A320が従来の旅客機と大きく違う所はフライ・バイ・ワイヤと呼ばれる操縦システムにある。A320には操縦桿は無く、サイドスティックと呼ばれる操縦装置が機長、副操縦士それぞれの横に設置されている。

A320の操縦室とサイドスティック

 さてA320は、飛行機を安全、快適に飛ばすため操縦系統に3種類、7個のコンピューターを搭載している。 サイドスティック及びラダーペダルを操作すると、信号は電気ケーブルからこれらのコンピューターを介して、エルロン、スポイラー、エレベーター、スタビライザー、ラダーを動かす油圧アクチュエーターに入力され、それぞれの動翼を作動させる。これらのコンピューターは、パイロットの無謀な操作や荒い操舵を感知すると、それらの操作を和らげ、飛行機が危険な状態に近づいていると判断すると自動的に回避操作を行う。こういったことからA320はパイロットの言うことを聞かず、コンピューターが操縦していると誤解される事があるのだ。

 ここからはA320の操縦を詳しく見ていきたいと思う。A320は地上にいる時(グランドモード)、上空にいる時(フライトモード)、着陸する時はフライトモードに(フレアーモード)が加わって、三つのモードに別れている。

 グランドモードでは、これらのコンピューターは全く仕事をしません。他の旅客機と同じようにサイドスティックと各動翼はダイレクトに繋がっているように作動する。フライトモードでは、コンピューターは本領を発揮して、荒く激しい操作や危険な状態から機体を守るように仕事をする。そしてフレアーモードでは、着陸前50フィート(15m)の姿勢を記憶していて、30フィート(10m)から8秒かけて機首を2度下げて、着陸のための機首上げ操作をパイロットに促します。

長くなるので、フライトモードでのコンピューターの役割はPART2でさらに詳しく話したいと思いますが、難しいですね。

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