私が小学生の頃は、テレビでアメリカのドラマがよく放送されていた。ルート66、ハワイアン・アイ、サンセット77と言った軽いものから、ベンケーシー、ドクターキルディアなどの医師をメインのドラマ、みんな恰好良かったものだ。入院した女性患者が「ケーシー先生を呼んで」という人がいたという話を聞いた事がある。それにケーシー高峰さん、面白かったですね。こういったドラマとはまた別に、「世にも不思議な物語」や「Twilight Zone」と言った超常現象を題材に丁寧に作られたドラマがたくさんあった。子供心に真剣に見ていたのを思い出す。
最近はインターネットが発達し、たいていの物はネット上で見られる便利な時代になったものだがその中で、思わず真剣に見入った作品があった。SFストーリーだが、脚本がよく出来ており、出演者の演技も素晴らしいものだった。The Twilight Zoneの第2シリーズ54話,「33号機の漂流」というドラマで、1961年2月24日に放送されたものらしい。
ストーリーは1960年代の初頭、ジェット旅客機が就航を始めた頃の事だ。33号機(航空会社の指定はされていません)はロンドンからニューヨークのアイドル・ワイルド空港(現在のジョン・F・ケネディ空港)へ向けて大西洋上空を高度40000フィート(12000m)で巡航している。 機種はボーイング707、もっとも初期型でエンジンは燃費の悪いP&W JT3ターボジェットエンジン、そして操縦室には,機長、副操縦士、航空機関士、通信士、航法士(ナビゲーター)の5名が乗務している。
飛行は順調で、機長はニューヨークへは、ほぼ定刻に到着すると乗客にアナウンスをする。しかし指先の違和感と機体の速度が妙に上がったことに気づいた機長は航法士に、対地速度(飛行機の地面に対する速度。向かい風が強いと減少し、追い風が強いと増加します)を確認させた。エンジンは正常に作動しており、対気速度(飛行機の空気に対する速度。計器にはこの速度が表示されます)は750kmで変化はなかったが、対地速度を調べていた航法士は、速度がどんどんと増して5000km/h(マッハ4)に到達したと伝えた。通信士は、近隣の局や軍との交信を試みるが通信不能の状態となってしまう。突然、機体は大きな振動と光に包まれた。落ち着いたところで、状況を調べたところ機体やエンジンには異常は無かったのだが、対地速度は測定不能となりどの無線局とも交信は出来なかった。 何が起こっているのか判らなかったが機長は、航空機関士に残燃料を確認させ、航法士にはニューヨークへの予想される進路を計算させた。そして高度を下げて目視で飛行場を探すことを決断するのだった。副操縦士は衝突の危険が多き過ぎるとアドバイスするが、「これしか方法は無いだろう、皆外をよく見ていてくれ、そして神に祈ろう」と言うと降下を始めた。
低高度に達した旅客機の前方に、ニューヨークのマンハッタン島がみえてきた。 そこで彼らが見たものは・・・
これ以上お話しするとネタバレになってしまう。興味のある方は「33号機の漂流」で検索するとネット上で動画を見ることが出来ると思うし、その方が楽しめるだろうい。かつて長距離飛行をする旅客機には5名の乗組員がいたと知っていたが、このように仕事をしていたのが理解できたのと、この便の機長のComandability[機長らしさ]が素晴らしかった。
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